発明とは?

発明

みなさんは、「発明」という言葉はご存じだと思います。

でも、「発明」とは何かを説明できるでしょうか?

特許法では、「発明とは自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものをいう」と定義されています。

言葉を順番に説明していきます。

<自然法則>

「自然法則」とは自然界において経験によって見出される科学的な法則をいいます。
従って、ゲームのルール、暗号の作成方法、商売方法のように「自然法則」でないものや永久機関のようにエネルギー保存の法則に反するものは、特許法上の「発明」にはなりません。

<技術的思想>

「技術」とは、一定の目的を達成するための具体的手段です。知識として他人に伝達できる客観性のあるものであって、誰がやっても同じ結果を得るものでなければなりません。
また、単なる情報の提示や美的創作物は技術的思想ではありません。
従って、フォークボールの投球方法、絵画・彫刻などは特許法上の「発明」ではありません。

<創作>

「創作」とは、新しいことを創り出すことをいいます。単なる「発見」とは異なります。
従って、天然物の単なる発見などは、特許法上の「発明」にはなりません。

<高度>

発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作であっても「高度」なものでなければなりません。
一方、実用新案登録の対象である「考案」は「高度」でなくてもよいとされています。

特許になる発明とは

発明が完成しても、それだけで特許権が発生するわけではありません。
特許を受けるためには、特許出願を特許庁にして、審査に合格しなければなりません。
では、審査に合格するために「発明」が満たすべき要件にはどのようなものがあるのでしょうか。

特許法29条では、特許を受けるための要件として、次のことを規定しています。

<特許法上の「発明」であるか>

先に説明した特許法上の「発明」に該当することが要件です。

<産業で利用することができるか>

特許法上の「発明」であるためには、産業で利用できなければなりません。
単に学術的、実験的にしか利用できない「発明」は産業の発達を図るという特許法の目的を達成することができず、保護する価値がないからです。
産業に利用できない「発明」としては、地球を紫外線遮断フィルムで囲む発明のように明らかに実施できないものがあります。

<新しいかどうか>

特許を受けることができる「発明」は、今までにない新しいものでなければなりません。
これを「発明に新規性がある」といいます。
すでに誰もが知っている(これを「公知」といいます。)発明に独占権を与えることは、百害あって一利なしだからです。
ですから皆さんが発明をされた場合は、出願をする前に決してインターネットで公表したり、街中で不特定多数の人に説明したりしないで下さい。早くしゃべりたい気持ちは分かりますが、がまんしてください。
「自分が一番先に発明をしたのだから、出願前に公表しても大丈夫」というのは間違いです。
出願するまでは、原則として発明を秘密にしておく必要があります。

<容易に思いつくものでないかどうか>

たとえ「新しい発明」であっても、従来の技術をほんの少し改良しただけの発明のように、誰もが簡単に思いつくような発明は特許を受けることはできません。
そのような発明に独占権を与えてしまうと、逆に産業の発達に支障がでてしまうからです。

<先に出願されていないかどうか>

別々の人が同じ発明をして特許庁に出願した場合はどうなるでしょうか?
日本では先願主義を採用していますので、先に発明した人ではなく、先に出願した人に特許を与えています。
ですから、発明が完成したらできるだけ早く出願することが重要です。

<公序良俗、公衆衛生を害する発明でないか>

公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害する発明は、たとえ産業上利用でき、新規性が有り、容易に考え出すことができないものであっても、特許を受けることができません。
例えば、にせ札製造機や麻薬吸引器などです。

<発明が十分に公開されているか>

願書には、発明の内容を記載した明細書というものを添付します。この明細書で具体的にどのような発明をしたのか、どうすれば発明が実施できるのか、他人が読んで理解できる程度に発明の内容を明らかにしなければなりません。
発明の内容を教えずに権利だけほしいというのは認められません。
発明公開の代償として、独占権を与えるという特許制度の趣旨に反し、発明が分からなければ審査もできないからです。

あなたの「発明」が以上の要件を全て満足していれば目出度く特許になります。
おめでとうございます。

これであなたは、日本の、いや世界の発展に貢献できました。

※ 三木市、小野市、加西市、加東市、西脇市、加古川市、高砂市、他、兵庫県、兵庫県隣接府県であれば商標登録の他に特許、意匠も受け賜ります。