1.商標登録の更新を忘れたばっかりに
Aさんは、40年に開業して今では従業員が50人もいる会社に育てあげました。
開業当時にある商標を考えて、すぐに商標登録しました。今ではこの登録商標は会社のハウスマークにもなっています。
ところが、Aさん、何年か前に忙しさのあまり商標登録の更新を忘れていました。
そして、少し暇になった今、改めてその商標について商標登録出願をしました。
「今まで使っていた商標だから、すぐに登録されるだろう」
そうたかをくくっていたAさんに特許庁から通知がきました。
「やっと登録査定がきたか!」
そういいながら、封筒を開けたAさんは、びっくり仰天。
なんとその封筒の中には
「類似する商標がすでに登録されているため、登録できません」
と書かれた書類が入っていたのです。
その商標は、1年前に登録になっていました。
「そんなあほな。これは40年前からうちが使ってきた商標やのに・・・」
Aさんは、空を見上げて嘆きました。
2.ネットショップで商品を売り出すと?
Bさんは、田舎で焼き芋を売っていました。
店先には「九里(栗)四里(より)2倍美味い二十六里(芋)」と宣伝していました。
あるとき、今はネット社会だから、ひとつネットショップを作ってインターネットでも
販売しようと思いつき、Bさんはネットショップを開業。
ネットショップでも「二十六里」というネーミングを宣伝していました。
しばらくたったある日、Bさんのお店に内容証明郵便が届きました。
「何だろう?」
Bさんが封筒を開けてみると、なんとそこには
「貴社がネットショップで使用されている商標は弊社の所有する商標権を侵害しますので、直ちに
商標の使用を中止してください」
と書かれていました。
「店では何も言われなかったのに・・・、ネットでは全国的だからダメなのかなあ」
3.事業開始前にホームページで公表
C社は田舎の金物メーカー。新商品を開発したので、商品のネーミングも社内募集して、オシャレな
ネーミングが付けられました。
C社はもちろんこのネーミングを商標登録して全国的に売り出す計画を立てていました。
第 一段として、ホームぺージで販売を予告しようということになり、その商品をネーミングとともに
ホームページで公開しました。
半月後、商標登録出願の準備ができたので、特許庁に商標登録 出願したところ、数カ月して特許庁から拒絶理由
通知がきました。そこには、
「他人が同じ商標を先に出願しているので、このままでは商標登録されません。」
と書かれていました。
実は、ホームページを見た他者がこれはいいということで、先に商標登録 出願をしていたのでした。
商標登録は、先に考えたとか、先に使い出した、ということには関係がありません。
先に特許庁へ出願した者が優先される仕組みですから、注意が必要です。
4.登録商標を使用していなかった
X社は、バラの花の下に「XYZ」の文字を表した登録商標を所有していました。
そして、これまでずっと「XYZ」やバラの図形を単独で使用してきました。
そんなとき、登録商標に類似する商標の登録を考えているZ社から、登録商標の不使用
取消審判を請求され、その結果X社の商標登録が取り消されてしまいました。
「XYZ」やバラの図形の単独使用だけでは登録商標の使用とみなされなかったのです。
バラの図形だけ、「XYZ」だけを別々に使用する場合は、それぞれについて商標登録を
受けておくべきです。
そうすれば、バラの図形のみ、「XYZ」のみ、バラの図形と「XYZ]を組み合わせた
もの、すべてが登録商標の使用とみなされます。
※商標登録のご用命は、日本全国どこからでも。三木市、小野市、加西市、加東市、西脇市、加古川市、高砂市、他、兵庫県内であれば特許、意匠も受け賜ります。